伊豆で「純和風旅館」を探すと、和洋折衷のリゾートホテルまで一緒に並んでくることがあります。正直、これは選びにくいです。今回、公式サイトの情報と楽天の評点データを突き合わせて絞り込んだところ、純和風の佇まいを貫いていると言えるのは3軒でした。数だけ見れば少なく感じるかもしれませんが、その分どれも個性がはっきりしています。
純和風旅館を選ぶときに見るべき4つの基準
純和風という言葉だけでは、宿の違いは見えてきません。個人的には、次の4点で比べると選びやすいと思います。
- 泉質と風呂の形(大浴場か、露天風呂付き客室か)
- 建物としての価値(登録文化財かどうか)
- 食事の形式(部屋食か、食事処か)
- 静けさをどこまで求めるか
比較表にまとめました。
| 宿名 | 温泉・客室 | 食事 | 配慮ポイント | 評点 |
|---|---|---|---|---|
| 伊古奈荘 | 弱アルカリ単純泉、家族風呂と露天風呂 | 海鮮茶懐石 | 貸切露天風呂は何度でも利用可 | 温泉評価4.42 |
| 新井旅館 | アルカリ単純泉、国の登録文化財の湯殿 | 月替わり会席 | 全館禁煙 | 客室評価4.83 |
| 柳生の庄 | アルカリ単純泉、数寄屋造り15部屋 | 京懐石の流れをくむ会席 | 剣道場やラウンジも併設 | 清潔感評価5 |
こうして並べると、伊古奈荘は湯量、新井旅館は建物、柳生の庄は静けさが軸だと分かります。ここから1軒ずつ見ていきます。
伊豆の純和風を貫く3軒
貸切露天風呂とラジウム泉が自慢の「伊古奈荘」

伊古奈荘は伊豆長岡温泉にあります。公式サイトによると、湯は「バドガシュタイン鉱石」をふんだんに使ったラジウム温泉とのことです。かけ流しで循環はさせていないそうです。
客室は全13室のうち7室に露天風呂が付いています。公式サイトによると、客室は「情緒あふれる純和風の佇まい」で、畳の部屋に日本人らしいもてなしが息づいているとのことです。
評点を見ると、風呂の評価は4.42、夕食の評価も同じく4.42と高く、8項目のなかでも突出しています。泉質は弱アルカリ単純泉で、冷え性や打ち身、筋肉痛への効能が案内されています。
寄せられている口コミには「夕食のすき焼きはとっても美味しくて」という声があります。すき焼きが出る宿は伊豆でも珍しく、記憶に残りやすいはずです。
料金は、素泊まりに近いプランなら27,840円、最安値の目安は10200円からです(2026年9月時点・2名1室の目安)。貸切風呂を無料で何度でも使えるのは、家族連れにも夫婦にもうれしい条件です。ただ、立地は伊豆長岡駅から徒歩で15分とやや歩くので、荷物が多い日はタクシーを使ったほうが楽です。
国の登録文化財、15棟の湯宿「新井旅館」
新井旅館は修善寺温泉にあります。公式サイトによると「明治5年創業の伝統的日本旅館」で、浴場を含む15の建物が国の登録文化財になっているそうです。
総ひのき造りの大浴堂と、宿泊棟をつなぐ廊下
大浴場は総ひのき造りの「天平大浴堂」で、歴史画家の安田靫彦が設計したと案内されています。庭園の中には木洩れ日の湯という露天風呂もあり、秋は紅葉を眺めながら入れるそうです。ロビー棟と宿泊棟をつなぐ廊下の佇まいも、文化財ならではの見どころです。
評点はどの項目も高く、なかでも客室評価は4.83、立地評価は4.72と、伊豆の純和風旅館のなかでは頭ひとつ抜けています。清潔感の評価も4.63です。泉質はアルカリ単純泉で、リウマチや神経病、冷え性、疲労回復に効能があるとされています。
届いている口コミには「とても情緒ある建造物で」という声があります。初めて重要文化財に泊まる人でも、身構えずに過ごせる宿だと分かります。
食事は月替わりの会席料理を食事処でいただく形式です。公式サイトの案内では、到着が19時を過ぎると夕食の提供が難しい場合があるとのことなので、記念日で夜景を楽しんでから戻るような予定は要注意です。プランの目安は63,800円、素泊まりに近い最安値は24,420円からです(2026年9月時点・2名1室の目安)。
館内には横山大観の作品を展示する書画展示室もあります。静かに美術を眺める時間も、この宿らしい過ごし方です。
竹林に佇む数寄屋造りの隠れ宿「柳生の庄」

柳生の庄も修善寺温泉にあります。公式サイトによると、料亭「柳生」から始まり、昭和45年、修善寺温泉旅館「柳生の庄」の開業に至ったそうです。
客室は「古典的な風情のある数寄屋造りの15部屋」で、部屋ごとに石組や半露天など風呂の造りが違うとのことです。すべて左官仕上げによる古来の手法だと案内されています。静かすぎるほど静かな宿です。
朝食の評価は4.75、夕食の評価も同じく4.75、清潔感の評価は5と、8項目のうち計測できている3項目はいずれも高水準です。泉質はアルカリ単純泉で、神経痛や筋肉痛、関節痛への効能があるとされています。
料理は京懐石の流れを汲み、地元の魚や米、野菜を部屋でゆっくり味わう形式です。館内には剣道場やラウンジ、バーもあり、食後の一杯を楽しむ選択肢もあります。最安値の目安は52030円で、他の2軒よりやや高めの価格帯です(2026年9月時点・2名1室の目安)。竹林に囲まれた立地なので、車での到着を基本に考えておくと安心です。
エリアと交通、予約の勘所
3軒とも伊豆長岡から修善寺にかけてのエリアに集まっています。伊古奈荘は伊豆中央道の長岡ICから約10分、新井旅館と柳生の庄は伊豆箱根鉄道の修善寺駅から車で10分ほどです。東京方面からは東名・新東名で沼津ICまたは長泉沼津ICを目指すのが基本ルートになります。
- 電車派なら修善寺駅からタクシーが使いやすい新井旅館・柳生の庄
- 車派で湯量を優先するなら伊古奈荘
記念日利用の場合、料理の提供時間を宿ごとに確認しておくと安心です。新井旅館は到着19時を過ぎると夕食が難しくなる場合があると案内されています。
よくある質問
純和風旅館とリゾート系旅館の違いは何ですか。 今回の3軒はいずれも数寄屋造りや登録文化財など、建物そのものに和の様式が色濃く残っています。客室や大浴場が洋風の設えになっているホテルタイプの宿とは、この点がはっきり違います。
貸切風呂は3軒とも使えますか。 伊古奈荘は無料の貸切露天風呂を案内しています。新井旅館と柳生の庄は共用の大浴場や露天風呂が中心で、貸切利用の可否は予約時に確認したほうが確実です。
子連れでも泊まれますか。 伊古奈荘は家族風呂があり、家族連れにも向いています。新井旅館は全館禁煙で落ち着いた雰囲気、柳生の庄は静けさを重視した造りなので、小さな子ども連れよりは大人の時間を求める旅に向いています。
まとめ
伊豆で純和風と呼べる旅館は、湯量で選ぶなら伊古奈荘、建物の価値で選ぶなら新井旅館、静けさで選ぶなら柳生の庄です。3軒しかないからこそ、それぞれの違いがはっきりしています。記念日やご褒美旅で1軒選ぶなら、まず何を優先したいかを決めてから予約に進むのがよいと思います。
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